sofyukiの日記

名前に意味はないのよ? 

航空自衛隊浜松広報館エアパーク行ってきた パート1

 航空自衛隊浜松基地。教育集団である第一航空団とその司令部が置かれ、航空総隊直轄部隊の警戒航空隊である第602飛行隊や高射教導隊、第一第二術科学校の置かれている基地ですね。まさに空自の教育施設。

 

その敷地内一角に、空自の広報館であるエアパークがあります。

 

 外観はこんな感じ。何回か来たことはあるのですが、ここの展示は非常に見やすく、機体をかなり自由な角度で撮影できるところです。F-1 F-104 T-2 F-86Fの展示では、コクピットに搭乗することが可能。

 写真は今回初めての方法で掲載しているので、色々見難くなってるかも。

 

 入り口はこんな感じ。入館は無料。

 

館内マップはこんな感じ。本物のF-1戦闘機の機首部分を使ったシミュレータもあります。上の写真はミュージアムショップ前で撮影したもの。ここから展示資料館1Fへ入ります。

 

 入館してすぐ、目に飛び込んでくるのがこれ。F-2戦闘機のモックアップですね。

82年以降、後述のF-1戦闘機を代替するためにF-X事業がスタートします。国産開発や外国機のライセンス生産などが挙げられましたが、事実上アメリカの横槍で87年、共同開発が決まります。F-16F-15、FA-18のどれかを改造母機とする事になり、コストなどの点からF-16を開発母体とすることに決定します。

 詳細は省略しますが、対艦ミサイル四発搭載の上800km近い作戦半径が求められていたため、F-16より大型化しています。軽量化のためにカーボン素材による主翼の一体成型が行われていたり、世界で初めてAESA方式レーダーの搭載による高性能化が行われていたりと、色々詰め込んだ結果トラブルや価格高騰に悩まされ続ける機体となってしまった感は否めませんね。独自開発よりはいいものができたんでしょうけども。

 

 正面から。F-16はEM理論を前提として設計が行われており、コクピットからの視界の良さが特徴の一つです。その設計思考から外れたF-2とは言え、外部からパイロットの胸の辺りまで見えますから視界は相当良いはず。EM理論についてはまたいつか解説したいな。

 それと、館内収容のため右翼が無くなってます…。

 

 次のエリアの機体…の電子装備なり。前来た時、ここ開いてなかったような気がする。なので無駄に撮りまくっております。

 

 そこから左を。撮影した写真を見返すと、この機体の全景を撮ってなかった事に気付く。というか、今回全体的に写真が適当だな…

 

 後ろから。この機体はF-1支援戦闘機です。2006年退役した機体で、かつてブルーインパルスでも使用していたT-2を元に開発された国産戦闘機でもあります。もともと、北方からやってくる、赤くてニクいあんちくしょうこと赤軍に対して対艦任務を行うための機体として開発されました。検索して機体全景みて頂けると分かりますがこの機体、曲がりません(笑)。三沢に配備されていた米空軍のF-16とDACTを行ってたらしいですが、結果は惨敗。当然ではありますが、ね。

 

 原型となったT-2からエンジンは変わらず、ロールスロイスのRT.172 Mk102エンジン。双発なんですが非力で、満載状態では離陸するのにリヒートが必要でした。

 リヒートと言うのは再燃焼装置の名称で、エンジンメーカーによって名前が異なります。アフターバーナーという名称が有名ですが、これはゼネラルエレクトリック社製エンジンの再燃焼装置の名前です。ついでに、F-15なんかに搭載されてるF100エンジンの再燃焼装置はオグメンターと言います。プラット・アンド・ホイットニー社のエンジンは他にF-22のF119やF-35のF135等がありますが、これらの再燃焼装置はオグメンターという名前なんですね。そんでもって、ロールスロイスではリヒートと言います。…ぶっちゃけ、通じれば何でも良さそうですが。

 

 一部カットモデルのJ-79-11エンジン。F-104J/DJに搭載されていたエンジンです。F-4ファントムⅡのエンジンはこの発展型のJ-79-17ですね。

 

 

 排気部分から。内側の筒の内部が再燃焼部分で、高温高圧のジェット流に燃料を再度噴射、これによる爆発エネルギーにより推進力を増加させるのが再燃焼装置。このエンジンはGE製なのでアフターバーナーですか。

 ちなみに、アフターバーナー点火状態では文字通り燃料垂れ流しというステキな状態なので、燃料搭載量の多いF-15戦闘機だとしても5分連続で点火状態にすると燃料切れ、という事態に陥ります。ですが、エンジン推力を倍近くまで一時的に持っていけるので、緊急時の離陸や高機動旋回の際に使用します。

 

 

 さて、展示資料館の2Fへ参りましょう。

 2Fは装備品や兵装の実物大模型等が展示してあり、縮尺が同じ飛行機の模型なども並べられています。

 

 フライトスーツとパラシュート、射出座席ですね。

F-15等の機体ではパラシュートは射出座席備え付けなのですが、F-1等の機体ではパイロットが背負ってからコクピットに搭乗します。

 

 その他、非常脱出時のサバイバルキットやライフジャケットもありましたが撮影に失敗…。

 

 対空機関砲VADS。Valcan Air Defence Systemの略で、飛行場の防空装備です。艦艇に搭載されているCIWSと似たような装備で、最後の砦的扱いの兵器となります。

 半自立火器システムで、目標補足から見越し角調整までコンピューターがやってくれます。ただ、写真のコイツはそんなもの搭載されておらず、F-104戦闘機に搭載されていた20mmバルカン砲を再利用する目的で作られたVADS2の改修試作型という、ややこしい一品となっております。

 

 64式小銃と9mm拳銃。拳銃の方はシグザウエルP220ですね。現在では9mm機関拳銃やMNIMIも使用しているのですが、ここに展示するだけの数に余裕が無いのでしょうかね。ちなみに、89式は使ってません。

 

 地上機器の模型もありました。パトリオット・ミサイルシステムのもあったんですが以下略。空爆で設備の一部が破壊されても、機能喪失しないように車載式の設備があるんですよって感じの展示でしょうか。

 

 

 さて、エアパークの目玉、展示格納庫へ行きましょう。

 格納庫への渡り通路から一枚。野外に展示されているF-104J戦闘機ですね。

最後の有人戦闘機とか言われてましたが、当時の米空軍の設計思想はトチ狂ってましたので、当然今でも戦闘機は有人です。無人化が行われているのは偵察機かそれに毛の生えた程度の攻撃機位なもんです。

 

 次回へ続く!