よこすかYYのりものフェスタ2014!パート4「軍港めぐり」
さて、いよいよ15時。申し込んだ軍港めぐりの時間です。
乗船開始。所要時間45分前後也。
このようにぐるっと一周するツアーです。
軍港めぐりはガイド付き。なんでも海自の潜水艦司令部が横須賀には米軍基地の地区内部にある模様。なのでこちら側に停泊しているんですね。
そして先程の沿岸警備隊。グアムに来ていた所、故障。本土より近いためこちらにやってきたそう。そもそも日本に母港の無い船なので、かなり珍しいそう。ラッキー
さて、ここからは全て船上からの写真となります。
WHEC-722「モーゲンソー」をアップで。
「フィッツジェラルド」を正面から。たなびく星条旗が重厚さを際立てます。
因みに、ネームシップであるDDG-51「アーレイ・バーク」は1991年就役。最新のDDG-112「マイケル・マーフィー」はなんと62番艦。一体幾つ作るつもり何でしょうか…。タイコンデロガ級ミサイル巡洋艦と併せて89隻のイージス艦を保有してます。世界第二位の保有数を誇る我が海上自衛隊は6隻。一割にも届きません。連中、戦争でもする気かってぐらい持ってますね。ある意味で、この港は世界のイージス艦保有比率の縮図になってるかもしれないです(笑)。9割アメリカ~
この2隻は、アーレイ・バーク級の中でも初期型、フライトⅠのタイプで、ヘリコプターの運用能力がありません。ただし、フライトⅡ相当に改修されてる可能性が高いです。
暫く進むと何やら整備中のアーレイ・バーク級が。マップ上の5番、12号バースと呼ばれる区域です。
上の「ステザム」と比較すると艦尾に格納庫があるのがわかりますね。ヘリコプターの搭載能力を付与したのがフライトⅡAとなります。
見にくいですが、上の写真の艦が手前に来ています。艦名はわかりませんが、第7艦隊の横須賀港所属の艦艇であれば「ラッセン」「マスティン」の何れかですね。
奥は第7艦隊旗艦である「ブルーリッジ」ですね。揚陸指揮艦という艦種なのですが、ヘリ運用能力を持つ通信艦って感じでしょうか?
左奥、艦名がギリギリ見えます。DDG-85「マッキャンベル」ですね。格納庫が閉まってますが、フライトⅡAです。
そこから振り返って自衛隊の港を1枚。逆光気味で、色が暗くなってます。
さて、東京湾の方まで出てきたせいか、船が揺れます。写真取るのは少し大変。
真ん中に3つあるコンクリートブロックは、艦艇の磁気を測る装置だそうな。海の地雷である機雷は、磁気を感知して爆発するものが多いため、一定期間ごとに艦艇の磁気を調べるそう。この後、機雷に関係ある艦艇が沢山出てきますよ。
クレーン乗っけた船?です。曳航されてます。港周辺には幾つかこういったクレーンがあり、中には米海軍保有の物も有るとか。
長浦港に差し掛かると見えてきたのはAGS-5106「しょうなん」ですね。海洋観測船という艦種で、海底の地形、潮流、塩分濃度などを計測し、データ化する船となります。
海上自衛隊はASW(対潜水艦戦闘)能力を集中的に向上させてきた歴史があります。大日本帝国が、潜水艦と機雷の海上封鎖をうけ、困窮した経験をもとに整備されてきました。対機雷及び対潜水艦は、性質上探知されないように作るため、発見が非常に困難です。そこで、普段収集するデータを元に、潜水艦の潜みやすい航路や変温層など、膨大な情報の洗い出しを行い、普段の海上警備活動に活かしているわけです。
MST-463「うらが」です。掃海母艦という艦種となります。後に紹介する掃海艇のお母さん…ではなく、掃海艇へ燃料補給などを行う艦種となります。また、自身も機雷の敷設能力を持ち、機雷戦用の装備でもありますね。やっぱりお母さんと言える存在ではあるかもしれません。また、その船体規模や設備から海外派遣に向いている艦ではあります。2005年にパキスタンへの物資輸送を行ったのはこの艦です。
「うらが」を前から。大きな艦橋が目を惹きます。この艦、M2機関銃のみの武装なので左舷はおろか全周弾幕貼れません。弾幕無いよ、何やってんの!
「うらが」より左手、潜水艦が見えます。しかし、様子が変。自衛艦旗と船首旗が掲揚されていません。
錆に糞にと汚れております。これ、除籍された潜水艦じゃ無いですか。
去年除籍されたのは、はるしお型潜水艦5番艦元「わかしお」ですね。潜水艦は所謂機密のカタマリであり、解体も専門の業者が請け負っております。
現在、海上自衛隊は潜水艦を16隻+練習用2隻を保有してますが、昨年末に策定した防衛大綱により、この16隻を22隻へと増やす計画が進められています。もともと海上自衛隊の潜水艦は2つの造船所が交代して建造にあたっており、毎年新たな潜水艦が就役します。逆に、毎年1隻を退役させているんですが。建造から18年ほどですから、整備をすればまだまだ現役で使えるものが多く、海外から購入したい旨の打診もあったと聞きます。一例としまして、ドイツの潜水艦206型は、平均すると30年程使用して退役という流れ。国家によって事情は様々ですが。22隻体制となると24年で退役となるんですかね。
さて、船首に405と船尾に「ちよだ」の文字。AS-405「ちよだ」潜水艦救難母艦です。万が一の事故に備えて、名のごとく潜水艦乗組員を救助するための母艦となります。母艦という名称の理由は写真中央、格納庫の内部にスクリューのついた丸い物体が見えると思います。深海救難艇DSRVという救助用の潜水艦で、事故を起こした潜水艦のハッチに取り付き、そこから人を載せて浮上します。
日本語版WikipediaよりDSRVの画像をば。潜水艦を保有する先進国にとって、必須の装備であります。「ちよだ」は就役から30年近く経過しており、代替の計画が進行中の模様。
やえやま型掃海艦、左からMSO-301「やえやま」302「つしま」303「はちじょう」。機雷は磁気を探知して起爆するものが一般的です。なのでこの艦、船体が木造であり、1000t級の木造船として世界最大級となります。
掃海艦と潜水艦。潜水艦は海上より海中に沈んでる部分のほうが多いため、一見すると小さく感じます。
長浦港から横須賀本港へ。新井掘割水路を通ります。
ここの水路、元々は無かったそうで。明治に入り海軍が創設され、横須賀が港に決まると利便性から、ここに水路を作ったそうな。この左右に見えてる山、元々つながってたんですね。完成は明治22年。ほぼ手作業で3年の月日を費やし完成させたそう。この水路によって横須賀本港と長浦港の移動時間が1/3になったそうな。左の島の縁、当時のままらしいですよ。しかし、水深は5メートルと浅く、小型の艦艇のみが通れるそう。大型化の進む海上自衛隊の護衛艦では厳しいですね。
水路途中。機動艇の桟橋がありました。
さて、横須賀本港戻ってきましてYDT03の文字が。水中処分母艦という名称で、艦名はありません。不発弾などが海中から見つかった際、処理作業を行うダイバーの母艦となります。
右がAMS-4305多用途支援艦「えんしゅう」ですね。射撃演習の標的曳航や離島への消防、物資輸送、自走不能な僚艦の曳航など、まさに多用途を支援する艦となります。
左がLCU-2002輸送艇2号でしょうか。離島等への物資、人員輸送用の艦艇となります。速力12ノット。まさに輸送艇。
左手に行って5104の文字。AGS-5104「わかさ」です。海洋観測船であり、上の「しょうなん」と同じ任務の艦艇です。海自初の女性艦長が就任した艦として有名。
「わかさ」の奥、写真左の艦艇には番号がありません。しかもよく見ると主砲の砲身が外されています。元DD-125「さわゆき」じゃないかと思うのですが確証は無し。
護衛艦は退役すると船籍が消され除籍されます。その際に自衛艦旗と艦名を返還するので、艦名が無くなります。除籍された潜水艦に元という言葉を付けたのはそのためです。後に新造される護衛艦が名を引き継ぐ形となります。海自の船舶は、世界的に見てもかなり手入れがされていると有名なのですが、退役した艦艇はまったく手入れをしないため、ぼろぼろ。逆に言えば手入れはかなり大変そう。
以前紹介した「ときわ」を別のアングルで。通称、海のガソリンスタンドだとか(笑)
支柱みたいなものに巻き付いてる黒いホースが給油ホース。あそこから燃料を供給します。
左から「じんつう」「やまゆき」「ときわ」。
「じんつう」はパート3で入港してきた艦ですね。
パート1の「ゆうぎり」。実はパート1とパート2の装備紹介写真の一部はこの時撮ったものでした(笑)。反対側から見ると、内火艇を搭載するために格納庫の形が違いますね。
パート2の「てるづき」。一般開放はこのツアーの出発時間の15時で終了だったため、人が殆ど居ません。
艦橋を。「ゆうぎり」より25年程先の戦闘艦ですが、レーダー反射に気を配り始めた感じの船体が先進的です。実は、まだ紹介しきれてない装備が有るんですが、それはまた何時かにでも。
さて、戻ってきました。潜舵の形からそうりゅう型潜水艦であることがわかります。現在、横須賀港を母港とするそうりゅう型は、第4潜水隊のSS-505「ずいりゅう」のみ。そのため、これも「ずいりゅう」であると思われます。確証は無し。
下船すると時間は16時より10分前。そこで気づいたのですが、帰りの電車の横須賀線は一時間に2本のみ。次の発射は15時59分。
…ダッシュで駅まで行き、飛び乗りました(笑)。疲れた…
今回、三笠公園の方へは行ってないのですが、機会があればまた。
また、第7艦隊の原子力空母「ジョージ・ワシントン」は、3日前に長期航海へ出港してしまったそうで、観ることが出来ませんでした。これもまた、機会があれば再度来て見てみたいです。今回見学した「てるづき」の全長は150m、「ジョージ・ワシントン」は330m。世界最大だった戦艦大和の満載排水量72000tを軽く凌駕する104000tの原子力空母、楽しみです(笑)