sofyukiの日記

名前に意味はないのよ? 

横田友好祭行ってきた パート8 戦闘機2

 最初にF-15持ってきたのは失敗したかなと今日この頃。

 

 F-4EJ。

 

 ベトナム戦争でMig-21と死闘を繰り広げたことで有名ですね。アメリカ空軍の分類では全天候型戦闘爆撃機。1960年運用開始のF-4ですが、海軍が艦載機として開発した機体でした。その任務は空母機動部隊のインターセプター。空母を攻撃しようとやって来る敵機を大型のレーダーで素早く見つけ、長距離ミサイルで迎撃するという設計思想です。そのために求められたのは高性能レーダーを搭載し、ミサイルを沢山運べる大型の機体でした。アウトレンジ攻撃を前提に作られた大型のこの機体は、当然ながら格闘戦向きではありません。特定の敵機と格闘戦を行っている間に他の敵機が空母へと接近してしまうため、ハナから格闘戦闘などするつもりのない機体でした。格闘戦能力の向上は見られるものの、後継機のF-14もこういった思想の元で設計されています。最終的にF-14の任務は空母艦隊のイージス艦へと引き継がれますが。

 

 フライトエンペロープという機体の高度、速度別に見る旋回性能のグラフがあるのですが、Mig21と比べてあらゆる速度域にて下回るという機体がF-4ファントムでした。超音速域前後であればMig21を上回りますが、そんな速度域で旋回戦を行おうとすれば、推力も知恵も足りないという状況です。

 ちなみに、F-4には固定機銃が無く、ミサイル万能論に走った機体という批判が国内ではありますが、正直どうかと思います。海軍側では敵攻撃機への要撃機として運用されており、格闘戦を重視していないため機銃がないのも頷けますし。空軍で機銃が搭載されてない戦闘機はF-102とF-106位なもの、他は対核爆撃機用迎撃機なので、そもそも機銃は要らないのです。むしろ、ハナから機銃が搭載されてないF-4という機体が空軍内では異端だったとも言えます。

 

 何故空軍が海軍の戦闘機を、という疑問には空軍がF-4以上のマトモな戦闘機を持っていなかったからという答えが正解です。F-100~F-111迄のセンチュリーシリーズはF-100とF-110(これは空軍側でのF-4の呼称なので…)以外マトモな戦闘機がありません。F-100スーパーセイバーは世界初の実用超音速戦闘機なんですが、機体のトラブルに悩まされ、1960年頃に解決されるも、毎年新型が登場する日進月歩の当時の戦闘機業界では陳腐化していました。

 ベトナムの空では辛酸を舐めることとなったF-4ですが、何故そんなことになってしまったのか。原因は、現地でパイロットに渡された冊子の中に在ります。ROE(交戦規定)という、戦闘において守らなくてはならない米軍のルールが全ての戦争では存在するのですが、ベトナムではこの交戦規定の縛りが非常に厳しかったのです。

多くの戦闘機乗りが唖然としたルールが、BVR目標への攻撃の禁止でした。要するに、目視可能な範囲内で敵機をしっかり確認した上で攻撃すること、そうで無い場合は攻撃してはダメ、というルールです。F-4は当時、唯一スパローミサイルというレーダーホーミングミサイル運用能力を持つ機体でした。目視範囲外からの攻撃に特化した機体が、目視範囲外での攻撃を禁じられればどうなるかは、火を見るより明らかですね。

 ベトナムの惨状から、ボンバーマフィアに異を唱え、航空優勢奪取を最大目標とする連中が登場してきます。ここからアメリカ空軍はF-15F-16と言った機体からF-22という怪物を生み出すことになるのです。

 

 

 F-4はE型で機銃が搭載されるようになり、航空自衛隊が運用しているのはF-4EJを独自改造したF-4EJ改という機種ですね。光学照準器をHUDにしたり、レーダーをF-16と同等のAPG-66Jに回収したり、電子戦能力を付与したり、操縦系統にHOTAS概念を取り入れたり、慣性航法装置をデジタル式にしたりと、かなりの大改装をやっています。アメリカ軍では完全に退役しているため、アメリカ軍元パイロットや、あちらさんのマニアがコイツを見に来日することも有るとか無いとか。ドイツ空軍では、改修によってAMRAAMミサイル運用能力まで付与されているらしく、日本の改修型より凄いコトになってます。

 

  次回へ続く!