sofyukiの日記

名前に意味はないのよ? 

富士学校開校60周年記念行事富士駐屯地祭 パート2 観閲行進①

 さて、観閲行進行きませう

 因みに、部隊名とかは全然わかりませんよ?説明もエンジン音でよく聞こえませんでしたし。

 

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 先頭は82式指揮通信車なので、一番えらい人じゃ無いかな。多分。

後方に1/2tトラック(後期型)

 

 

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 前回でも貼った写真。右手に高機動車、これは96式多目的誘導弾の発射車両ですね。後方のトラックも96式多目的誘導弾システムの構成車両です。

 このシステムは、観測機材、情報処理装置、射撃指揮装置、地上誘導装置、発射機、装填機により構成されており、世界初の光ファイバー有線誘導式ミサイルシステムとなります。ヨーロッパもアメリカも、開発したけど失敗若しくは中止している誘導方式で、凄いのですが値段も凄い。1セット27億円という価格と、システム構成に6両必要という点で批判されやすく、後述の中距離多目的誘導弾が開発されている点からも、失敗作との評判がありますね。射程は10キロ以上とされており、そんな長さの光ファイバーくっつけて飛んでくのは正直信じられません。

 

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先頭に軽装甲機動車と後方に偵察用オートバイ。

 軽装甲機動車は21世紀に入ってから装備が開始された装甲車で、普通科の装甲化を一気に推し進める事になった車両です。海外派遣仕様や指揮用、偵察用等バリエーションも豊富で、航空自衛隊も使用しており、2014年時点で調達数は1800両ほど。戦後の国産装甲車の中でダントツ一位の生産数です。

 

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73式大型トラック。

 いすゞ自動車製で、正式名称は3 1/2tトラック。今までに何回かモデルチェンジがなされており、現在のこれは8代目。信頼性が非常に高く、東日本大震災の際、水没し行動不能になる自衛隊車両の中で唯一稼働し走行が出来たとか。

 

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先頭に89式戦闘装甲車が並びます。すごい数。

 歩兵戦闘車(IFV)という種類の車両で、陸自の装備する唯一のIFVでもあります。兵員輸送のみならず、積極的に戦闘を行える装備を持つ車種であり、東側のBMPシリーズ、西側のM2ブラッドレー等が代表格ですかね。通常の兵員輸送車より高価なので、装備する国は限られます。

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 なんですが、冷戦終結やら1両6億近い値段が原因で68両しか作られませんでした。北海道の第7師団に集中配備されたため、本州では教育及び実験部隊しか保有してません。

 現在、近接戦闘車という名称で後継車両の開発が進んでおります。89式の35ミリ機関砲より大型の40ミリ機関砲が装備されるそうな。因みに、89式の35ミリはスイスのエリコン社の機関砲。後継車両の40ミリ機関砲は国産開発する模様。

 

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 高機動車が往きます。調達数3000両を超え、前述の96式多目的誘導弾システムの発射機搭載車両や通信車等の派生型が多数存在し、汎用性の高い車両です。日本版ハンヴィーとも。

 

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 96式装輪装甲車。40ミリ擲弾銃搭載型ですね。重武装の兵員10名を輸送できる兵員輸送車で、装軌式ではなく初の装輪式装甲車です。

 装輪式は整地された道路での移動速度が速く、燃費の面でも有利です。悪路の走破性では負けますが。現時点で365両調達されてますね。

 

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 1/2tトラック(前期型)。荷台に79式対舟艇対戦車誘導弾を積んでますね。

アメリカのBGM-71TOWと似たような誘導弾ですが、こちらは国産で対舟艇の攻撃能力が盛り込まれてます。なお、車上発射は出来ない模様。

 

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 高機動車ですが荷台に注目。日本の最新鋭対戦車ミサイルである中距離多目的誘導弾です。

 現在の陸上自衛隊対戦車ミサイルを多数装備しており、前述の79式(重MAT)に加え87式対戦車誘導弾(中MAT)、01式軽対戦車誘導弾(軽MAT)と三重のミサイルシステムを構築しています。加えて96式多目的誘導弾も存在するのですが、これは本来79式対舟艇対戦車誘導弾(重MAT)の後継として開発されたものです。しかし、前述の通り非常に高価で使い勝手の悪い96式は独自のシステムとしての扱いとなり、79式を置き換えるのが不可能になりました。

そこで、87式対戦車誘導弾(中MAT)の後継として開発が進められていたこの誘導弾が79式の後継としての機能が盛り込まれ、2009年より調達が始まります。高機動車軽装甲機動車等で○○式という名称が無いのは、部隊使用承認という扱いで調達されている物品だからです。

 

 そこで、部隊使用認証について調べてみました。

 元々、自衛隊車両は「装備品等の制式に関する訓令」(昭和29年防衛庁訓令第27号)により名前の決め方から装備品の制式化のやり方等が決められていました。昭和29年ですから1954年、自衛隊の発足年度です。しかし、平成19年に「装備品等の部隊使用に関する訓令」(平成19年防衛庁訓令第74号)が発せられてます。

その中に

附則 (施行期日)

1 この訓令は、平成19年9月1日から施行する。

(装備品等の制式に関する訓令の廃止)

2 装備品等の制式に関する訓令

(昭和29年防衛庁訓令第27号)は廃止する。

(装備品等の制式に関する訓令の廃止に伴う経過措置)

 という記述があり、昭和29年防衛庁訓令第27号は廃止されました。廃止された訓令の内容は分からないのですが、制式化が行われた西暦年度の下2ケタを取る等決められていたようです。それが

第4条

幕僚長は、重要装備品等を部隊の使用に供する必要がある場合には、その名称
及び性能、諸元、構造その他の事項が部隊使用に適していることを証する資料を付し
防衛大臣に申請し、部隊使用について承認を受けなければならない。

としか定められておらず、命名規定はなくなりました。例として10式戦車は採用年が2009年でしたが、09式戦車ではなく10式となった等です。

 ただ、「制式採用」と「部隊使用認証」の法的差異はどうもイマイチ当方では理解できず。

第4条続き

 ただし、次に
掲げる場合は、この限りではない。
(1)アメリカ合衆国から供与を受ける場合
(2)試験的に使用する場合
(3)装備審査会議の審議を経て、実用試験に係る重要装備品等が部隊の使用に供し
得ると防衛大臣が通知した場合

この(3)に該当するのが「部隊使用認証」なのか、それとも「装備品」としてではなく「物品」として調達されているのか不明。昭和29年防衛庁訓令第27号を見ないことには現状との差異もわかりませんしね。

 

 なので巷で言われている文言通りに言えば、「制式採用」されているかどうかの違いのよう。「制式採用」では内部の構成品全て揃った上での採用となるそうで、内部の一部パーツ変更等の融通が効かない模様。改良を加えるには変更申請、書類決済、装備品耐久試験等の手続きを行う必要があるため、構成品目に縛られない「部隊使用認証」を、民生品を多く使った車両やモデルチェンジを行いやすくするために用いるらしいです。ただ、配備後の欠陥や不具合の責任に関しては正直どうなのよ、と。「制式採用」のメリットが皆無に思えるのだが…。

 

 と、凄まじい脱線したところで戻りましょう。

 

 中距離多目的誘導弾は、96式多目的誘導弾の反省(自己完結性の低さ、値段)から高機動車一両で運用が可能なシステムとなり、射程は8キロ。赤外線及びレーザーの複合誘導方式で、発射後ロックオン機能を備えるため直接照準しなくとも可搬式レーザー装置を用いての見通し線外より射撃が可能。1セット5億円前後と、高価な部類には入るものの、96式とくらべて大幅なコスト削減になっております。民生品多用によるコスト削減に加え、2014年度からは調達数が増え、地味に価格が下がってますね。発射管制に民生品のノートPCを用いるなどしている模様。

 

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 高機動車迫撃砲。120mm迫撃砲RTですね。センサー機器大手の仏タレス社の子会社であるトムソンブラーント社のライセンス品です。かつての軽榴弾砲並みの威力を誇る迫撃砲で、現時点で430門調達されてます。1門3500万円也。車両に載せた96式自走120mm迫撃砲も開発されてます。

 

思いの外長くなってきたので続く